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【短編】('A`)取捨選択のようです

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 10:50:58.56 ID:7VfzjuCB0

(;'A`)「鬱田ドクオです。よろしくお願いします」


小学校までの俺は、ぶっちゃけいじめられっ子で友達もろくにいなかった。
「中学でも同じ思いをするのでは…」という不安で一杯のまま、俺はこのvip中学校に入学した。


入学していきなりいじめに会う事は無かったが、俺を待っていたものは空気のような扱いだった。

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 10:54:58.97 ID:7VfzjuCB0

流石に小学校と同じ事の繰り返しになるのはごめんだった俺は、部活に入る事にした。

選んだのは野球部。別に野球経験者だったわけでない。
ただ野球をやってみたかった。それだけだった。


( ^ω^)「内藤ホライゾンって言いますお! 気軽にブーンって呼んでくださいお!」


そこで俺はブーンこと、内藤ホライゾンと出会った。


5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 11:01:55.18 ID:7VfzjuCB0

( ^ω^)「おぉ! 君はドクオ君だおね!」

(;'A`)「あ、内藤君…」

( ^ω^)「タメなんだからブーンでいいおw ところでドクオ君も、この道を通って帰るのかお?」

(;'A`)「うん、そうだけど…」

( ^ω^)「じゃあ一緒に帰らないかお? 一人より二人の方が楽しいお!」

(;'A`)「え…いいの?」

( ^ω^)b「全然構わないお! つーか、いいかどうか聞いてるのは僕の方だお!」


初めての部活の帰り道、俺はブーンと一緒に下校した。
途中までだけど同じ道という事もあり、俺とブーンは次第に仲良くなっていった。

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 11:06:21.74 ID:7VfzjuCB0

('∀`)「それで、そのゲームがさぁ…」

( ^ω^)「それは凄く面白そうだお! 今度僕にも貸してくれお!」

('∀`)「あぁ、いいよ!」


クラスでは空気だし、部活も練習についていくのが精一杯だった。
それでも、この帰りの一時があるから俺は登校拒否にならなかった。部活も続けられた。



そんなある日の事だった。


9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 11:13:40.72 ID:7VfzjuCB0

いつものように練習が終わり、ブーンと帰ろうとしたその時…

(,,゚Д゚)「おーいブーン。一緒に残って練習していかないか?」


同じ野球部のギコが、ブーンに居残り練習の誘いに来た。
誰とでも仲がいいブーンは当然、ギコとも仲が良かった。

そして俺はギコとそんなに話した事はなかった。
練習熱心で、尚且つ人の良いブーンは間違いなくギコの誘いを受けるだろう。

…俺との帰宅を断って


12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 11:19:59.63 ID:7VfzjuCB0

( ^ω^)「うーん…じゃあドクオも一緒に練習していかないかお?」


ブーンの言葉は、俺にとって意外なものだった。


('A`)「え…別にいいけど、俺も参加して大丈夫かな…」

( ^ω^)b「全然問題ないお!」


そう言って、ブーンは俺を引っ張って行った。


( ^ω^)「ギコー! ドクオも練習に参加してもいいかおー!?」

(,,゚Д゚)「ドクオ? あぁ別にいいぜー、2人より3人の方が色んな練習出来るからなー」


そしてその日から、俺はギコとも話すようになった。


13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 11:22:50.92 ID:7VfzjuCB0

そんな感じで、俺も話せる人間が少しずつ増えていった。
…主にブーンの力を借りてだが。

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 11:29:27.96 ID:7VfzjuCB0

('A`)「でも、なんでブーンは俺と仲良くしてくれるんだろうか…?」

ある日、そんな疑問が俺の中で湧いてきた。

ブーンは見てのように周りから人気もあるし、スポーツ万能だし、意外と頭も良い。
なんでそんな人間が、俺みたいなのと付き合ってくれるのだろうか?

思い切って、俺はブーンに聞いてみた。


( ^ω^)「え? 友達って、いちいちそういう事を気にするものなのかお?
      別にドクオはドクオだお。そしてドクオは僕の友達だお」

わかるようなわからないような、そんな答えが返ってきた。






16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 11:39:13.43 ID:7VfzjuCB0

その後も変わらず、ブーンとは仲良くやっている。
ブーンのお陰で、俺の中学生活(主に部活)は充実したものとなった。


( ^ω^)「部活も引退したし、あとは受験勉強に打ち込むだけだおねー」

('A`)「…そういやブーンって何処の高校に行きたいんだ?」

( ^ω^)「あれ、言ってなかったかお? 僕の第一志望は私立鬼女学院だお」

('A`)「あー鬼女学かー…確かにお前ならあのレベルくらい行けそうだもんな」


『私立鬼女学院』

名前こそ女子高っぽいが立派な共学であり、この辺りでは中々偏差値の高い学校だ。
しかしブーンクラスだと、合格率は80%を超えるだろう。

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 11:44:35.48 ID:7VfzjuCB0

( ^ω^)「ドクオの第一志望は何処だお?」

('A`)「うーん、県立vip高校かな。あのレベルだと俺でも楽勝だし」

( ^ω^)「じゃあ、ドクオも私立は鬼女学を受けてみないかお?」

(;'A`)「俺が鬼女学!? 無理に決まってんだろ!」

( ^ω^)「ドクオも最近は成績上がってきてるから、あとひと踏ん張りで行けるお!
      大丈夫だお! 僕も協力するお!」

('A`)「うーん…それなら…」

( ^ω^)「決まりだお! 目指すは二人そろって鬼女学合格だお!」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 11:46:18.54 ID:7VfzjuCB0

それから俺とブーンの猛勉強が始まった。

その結果、俺は見事に鬼女学に合格できた。







しかしブーンは落ちてしまった。


21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 11:49:31.40 ID:7VfzjuCB0

(;'A`)「ごめんな…俺の面倒ばっか見てたからだろ?」

( ^ω^)「気にするなお! 僕の方こそ、落ちてごめんだお!
      そして合格おめでとうだお!」


なんでこいつはこんなに良い奴なんだろうか…
最後まで、ブーンに感謝しつつ俺達はvip中学を卒業した。

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 11:54:07.37 ID:7VfzjuCB0

鬼女学に入学した俺は、また不安に駆られた。
よく考えてみれば、中学で充実した生活を送れたのはほとんどブーンのお陰だった。

その証拠に、ブーンの力が行き届かないクラスではずっと空気のような存在だった。

つまり、ブーンのいない高校では…

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 11:57:34.06 ID:7VfzjuCB0

やはり俺はなかなか友達が出来なかった。

でも、学校が違ってもブーンは相変わらず連絡をくれるし、遊びに誘ってくれる。
あいつはあいつで、充実した高校生活を送っているのに、だ。

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 12:00:04.46 ID:7VfzjuCB0

でも梅雨が明ける頃、俺にも学校で友達と呼べるような付き合いが出来てきた。


( ・∀・)「おーいドクオー! 帰りにゲーセン寄って帰ろうぜー」

('A`)「おー、いいぜー」


少しずつ増えていく学校の友達。
やっと俺にも本当の充実した学校生活がやってきたようだ。

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 12:00:49.87 ID:7VfzjuCB0


それと同時に、相変わらず連絡をよこしてくるブーンが少し疎ましく感じてきた。

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 12:07:57.03 ID:7VfzjuCB0

以前は必ず対応していたメールや電話を無視する事が増えてきて、俺からは連絡する事がほとんどなくなった。
雰囲気を察したのであろう、ブーンからの連絡も完全に途絶えた。

別に心は痛まなかった。あいつは恵まれている。
俺一人と疎遠したところで、あいつは何も困らないだろう。

俺ももうブーンを頼りにしなくてもやっていける。お互い別の道を行く時が来ただけだ。

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 12:10:25.96 ID:7VfzjuCB0

2年になる頃、充実しているはずの俺の生活は脆くも崩れ去った。

始まりはなんて事の無い諍い。それが発展して、一転して俺はいじめられっ子となった。


35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 12:15:45.30 ID:7VfzjuCB0

友達と思っていた学校の人間は誰も味方してくれなかった。
というより、気付けばいじめる側に加担していた。


誰も俺を助けてくれる人間はいなかった。
過去にそういう人間はいたが…俺は、自らその人間を切り捨てたんだ。

何度、そいつに頼ろうとしたか…でも助けを求める人間を、俺は自分で切った。
だから俺は、助けを求めようにも求められなかった。

そんな虫の良い話がまかり通るほど世の中は甘くない。



そして俺は登校拒否になり、学校を辞めた。

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 12:17:38.67 ID:7VfzjuCB0

学校を辞めた俺は引き篭もりとなった。

バイトもやる気がしなかった。というより、人と関わるのがもう嫌だった。



もう死んでしまおうかと思った。

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 12:19:57.05 ID:7VfzjuCB0

( ^ω^)「話は全部聞いたお」


ある日の夜、俺の部屋の扉が開けられた。
そこに立っていたのは、ブーンだった。

俺が昔、縁を切った男。その男が何故か立っていた。


39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 12:27:00.01 ID:7VfzjuCB0

( A )「なんだよ…俺を笑いに来たのか…? そりゃ笑うだろうな。
    あれだけ助けてもらっておきながら、自分の都合で疎遠していった人間なんだからな…」

( ^ω^)「…」


ブーンは黙って俺の部屋に入ってきた。
殴られても仕方が無い。それだけの事を俺はしたのだから。

じわじわと俺に近付いてくるブーン。
そして、ブーンは俺の目の前で歩みを止めた。


( ^ω^)「…なんで相談しなかったんだお」


ブーンの口から出た言葉は、意外な言葉だった。

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 12:31:07.72 ID:7VfzjuCB0

( A )「…何言ってんだよ。そんな事出来るわけないだろうが」

( ^ω^)「自分の都合で、人を切ったからかお?」


ブーンの言葉は、俺の胸を貫いた。


( ^ω^)「言っとくけど、僕はドクオが友達じゃなくなったとは思ってなかったお」


46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 12:42:26.38 ID:7VfzjuCB0

( ^ω^)「新しい生活が始まると、そこに自分で居場所を見つける事にみんな頑張るお。
      昔の友達を振り返る余裕が無くなる事だってあるお」

( ^ω^)「そして、そこでドクオが充実した生活を送れているのなら、それは友達として喜ぶことだお。
      そう判断したから、僕は連絡するのを止めたんだお。友達の邪魔をするわけにはいかないお」

( A )「でも俺は…」

( ^ω^)「充実しているからって、不要になった友達を切る事は確かに正しいとは言い難いけど、仕方ないことだお。
      周囲の環境に惑わされて、判断を誤るなんて事は人間なら誰しもあることだお。」

( ^ω^)「だから、そんな事を気にせずに僕に相談してくれたらよかったんだお」



51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 12:49:34.20 ID:7VfzjuCB0

気がつくと、俺は涙を流していた。
なんでこいつはこんなにも俺の事を…あれだけの事をした俺の事を…

涙を拭って再びブーンの方を見ると、ブーンはいつもの笑顔だった。


( ^ω^)「ま、人に説教出来るほど僕は偉くは無いんだけどおねw」


( ^ω^)「今日は遅いからもう帰るお。別にいつでもいいお、気が向いたら電話なり何なり話してくれお。
      ブーン相談室は授業中と就寝中以外なら対応しているおw」

そう言って、ドアの方を向いて帰ろうとするブーン。


( A )「…最後にいいか?」

そのブーンを俺は呼び止めた。


53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 12:53:11.90 ID:7VfzjuCB0

( ^ω^)「なんだお?」

振り返ってブーンは俺の問いに反応した。


( A )「そうやって本当に信じてて、裏切られていたらお前はどう思うんだ…?」

( ^ω^)「別に何も思わないお」

( A )「何も? 本当に何も思わないのか?
   悔しいとか、ムカつくとか本当に何も思わないのか?」


57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 13:00:36.38 ID:7VfzjuCB0

( ^ω^)「うーん…確かに裏切られたとは思うお」

( ^ω^)「実際に、離れていった友達もいるお。
      でも、それは僕が勝手に信じてただけの話だお。それを相手に強要しちゃ駄目だとも思ってるお」

( A )「お前はそれでいいのか?」

( ^ω^)「仕方の無い事だお。
      だけど、ドクオのようにわかってくれる友達もいるお。そういう人がいるだけで充分だお」

( A )「お前はホント良いやつだなぁ…」

( ^ω^)「お人よしなだけだおw」

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 13:01:49.58 ID:7VfzjuCB0

( A )「なぁ…今から愚痴を聞いてもらってもいいか…?」

( ^ω^)「明日は日曜日だお。遠慮せずドンとこいだお!」

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 13:05:00.39 ID:7VfzjuCB0

それからブーンは、明け方まで俺の話に付き合ってくれた。

話をして思ったが、俺はブーンのようには生きられない。
そこまで他人を信じられない。

だけど、こいつだけは死ぬまで信じてみたいと思う。

例え、心の底では騙されていたとしても。





終わり
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